顕微鏡にて行う歯石とり
2023年08月31日
歯石とは磨き残しが3日間とれなかった、プラーク(磨き残し)が蓄積したものになります。最初は歯茎の上にありますが、どんどん歯肉の下に蓄積していきます。歯茎の下に蓄積した歯石は黒くなっており嫌気性菌と言われる、細菌の中でも特に体に害をなす細菌の住処となります。その細菌達が顎の骨を溶かし、歯をグラグラにし、抜歯に至る事があります。この歯茎の中の歯石は注意深く観察しなければわかりません。ほとんどの場合、痛みが出ず、痛みが出始める頃には歯を残すか残さないかを検討しなければならないほど歯周病が進行している状況になります。
セルフケアと歯肉の上のケアができて初めて、顕微鏡にて観察する事で、歯茎の中の歯石の中の歯石をきちんと把握し取ることができます。
中程度〜重度の歯周病になりますと、90分程度のアポイントでやっと奥歯4本の歯石を認識できて、きちんと取れるのですから、ちゃんとやると、非常に時間のかかる治療となります。
保険で毎月、歯を洗っているけど歯周病が治らないという方のご相談を良く受けますが、20分そこらで全部の歯を洗ったとて歯茎の中の歯石は取れませんし、存在していることも分からないでしょう。
歯科の材料や器具は進歩しており、保険の短時間の処置でも、とりあえず、取れないようにする、とりあえず痛みが出ないようにするなど、患者さんには一見治ったように見せかける事が可能になりました。ただ、本質的な事は変わっておらず、取れていなくても中で虫歯は進行しますし、痛みがなくても歯石が蓄積します。適切な時間をかけて、適切な治療を行わなければ抜本的な解決にならないのが現実です。
歯周病(歯肉炎および歯周炎とも呼ばれます)と全身の健康には密接な関係があります。歯周病は口腔内の問題として始まりますが、それが進行すると全身の健康に悪影響を及ぼす可能性があります。以下は、歯周病と全身の関係についてのいくつかの重要なポイントです:
- 炎症と全身炎症: 歯周病は口腔内の細菌感染による慢性的な炎症を引き起こします。この炎症は全身の炎症反応を活性化させ、心臓病、糖尿病、脳卒中、関節炎などの慢性疾患のリスクを増加させる可能性があります。
- 心臓病: 歯周病と心臓病の関連性が研究されており、歯周病の患者は心臓病の発症リスクが高まる可能性があるとされています。歯周病の炎症が全身の血管に影響を与え、血管内に脂質が蓄積しやすくなるためです。
- 糖尿病: 歯周病が存在すると、糖尿病の血糖コントロールが難しくなることがあります。また、逆に糖尿病の患者は歯周病を発症しやすくなる傾向があります。歯周病が悪化すると、糖尿病の合併症のリスクが増加することが報告されています。
- 妊娠と早産: 妊娠中に歯周病が悪化すると、早産や低体重出生児のリスクが高まることがあります。歯周病の炎症が全身に影響を及ぼす可能性があるため、妊娠中の口腔健康は非常に重要です。
- 関節炎: 歯周病と関節炎(特にリウマチ性関節炎)の関連性が研究されており、歯周病の炎症が関節炎の症状を悪化させる可能性があります。
これらの関係はまだ研究の途中段階であり、全ての歯周病患者が全身の健康問題を抱えるわけではありません。しかし、口腔健康を維持し、歯周病の早期発見と治療を行うことは、全身の健康を維持するために重要です。歯科医による定期的な検診と歯周病の治療は、全身の健康を支える一環として非常に重要な役割を果たします。
歯は加齢と共に失う組織ではありません。適切な治療と予防管理を継続すれば生涯、歯を失うことはありません。義歯やブリッジ、インプラントの材料や技術がどんなに発達しようとも、まだまだ天然歯に勝るものはありません。
最適な予防処置、歯の延命のために、ラバーダム、顕微鏡等を使用し適正な時間を確保された治療、口腔の機能回復、審美性の改善を行う治療は自由診療となります。
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