姿勢について
2017年04月26日
正しい姿勢を意識するあまり、カラダを反らしすぎてしまう人を多く見かけます。これは、自然な姿勢といえるものではなく、正しい姿勢とはいえません。
正しい背骨のS字カーブが描かれているのかチェックポイントは、鏡でカラダを横から見て、
「耳の穴」→「肩の中央」→「くるぶし」を、結んだ線が、一直線になっているかが目安です。
あと、見えない糸で頭のてっぺんから、カラダが釣られているイメージを思い浮かべても良いでしょう。
正しい姿勢を作る背骨の構造とはたらき
人間の体を支えているのは、いわゆる背骨と呼ばれている脊柱です。
脊柱は椎骨という短い骨が26個積み重なってできています。
正常な脊柱は、正面から見た場合はまっすぐで横から見ると首の部分が穏やかに目に湾曲し、
続く背中の部分が後に湾曲し腰の部分が再び前に湾曲しているS字型になっています。
これが正しい姿勢です。悪い姿勢とその対処方法
ついついやってしまう良くない姿勢。あなたはこんな姿勢、していませんか?
<足を組んで座る>背骨と骨盤を歪めるので要注意
足を組んで座っているときは、必ず猫背になっています。
試しに背筋を伸ばして座ってみると、左右の坐骨に均等に体重がかかるため、
足を組むどころか上げることすらできないことが分かるでしょう。
右足を組むと右側の骨盤が上がり、重心が左坐骨に寄ります。
その結果、脊柱が右側湾します。
左足を組む場合は、この逆のことが起こります。
いつもと同じ側の足を組んで座るクセがつくと、脊柱と骨盤を同時に歪め続けることになり、
腰痛を招く原因となります。
とくに足を組んだ姿勢でパソコンに向かい続けると肩こりや腰痛になりやすくなります。
<猫背>多くの症状を引き起こす悪い姿勢
猫背が習慣になると、頭を支えている肩の筋肉が緊張から解放されないため肩がこってきます。
また、アゴが上がって首の後側の筋肉が収縮させられるので首の後ろ側が痛くなり、やがて
頭痛が起こります。
猫背は、丸まった背中の頂点の位置の違いによって、三つのタイプに分けられます。
(1)肩口猫背
肩に近い部分が頂点になっています。
肩口猫背による肩こりは、やがて腕や手首のしびれなどの神経障害を
引き起こしやすくなります。
(2)真ん中猫背
背中の中央あたりの胸椎(きょうつい)の7~8番目が頂点になっており、
誰が見ても猫背だと分かります。
これがクセになると、畳や固い床の上では背中が痛くてあお向けに寝ることが
できなくなります。
(3)腰猫背
正常ならば前湾している胸椎の10番目から腰椎にかけてが、逆に後湾して
頂点になっている状態です。
座るとすぐに足を組んだり、あぐらをかく習慣がついている人がなりやすく、
腰痛を起こします。
猫背が原因の肩こりや腰痛は運動不足によって助長されるので、
正しい基本姿勢でのウォーキングなどを積極的に取り入れて体を動かすようyにしましょう。
また猫背になると、自然に肺活量が小さくなります。
正しい姿勢での深呼吸の習慣をつけることをおすすめします。<横座り>どちらか一方の横座りは危険
女性が床に座る場合は、正座か横座りのどちらかでしょう。
お尻を右に両足を左に出すのが右横座り、その逆が左横座りですが、
前者は脊柱を右側湾、後者は左側湾させないとできない姿勢です。
右横座りにしろ左横座りにしろ、どちらかの座りやすい方にクセがつきやすく、
それに伴い逆側の横座りができなくなります。
その結果、脊柱の側湾が進みます。
同じ側に横座りを続ける悪い習慣をつけないように心がけましょう。
<横寝でテレビを見る>
頭を支える手を左右交互に替えて
家でくつろいでいるときなど、ゴロンと横になって片手で頭を支えた姿勢でテレビを見る人も多いでしょう。
右利きの人の場合、右手の方が重い頭を支えやすいので、体の右側を床につけて横になる人が多いようです。
この姿勢も脊柱の側弯を招きます。
横寝する場合は意識して頭を支える手を替えるようにしてください。
<上体をひねった姿勢で字を書く>
無意識にしているので要チェック
机に向かって横書きで字を書くときなどに気をつけたいのが、書きやすいようにと上体をひねること。
右利きの人がこの姿勢をとると、体重が左坐骨に片寄って脊柱が右側湾していきます。
<ひじ掛けに寄りかかる>
寄りかかるなら左右均等に
ひじ掛けの片側に寄りかかる姿勢も悪いクセ。
右利きの人は上体を右側で支えるほうが楽ですから、右ひじ掛けに寄りかかる姿勢をとるようになりがちですが、続けていると脊柱の右側湾が起こります。
一番良くないのは、足を組んで片ひじ掛けをかけて座る姿勢です。
ひじ掛けに腕を乗せる場合は、左右均等にかけるようにしてください
<ショルダーバッグを同じ肩にかける>
気付いたら左右かけ替えよ
いつも同じ側の肩にショルダーバッグをかけるのも、背骨に少なからず良くない影響を与えます。
一般的に、バッグは右肩か左肩のどちらかにかけるクセがついているもの。
右肩にかけ続けていると脊柱が右側湾していきます。
軽いものならともかく、ある程度の重さのショルダーバッグを持つ場合は、
意識的に左右の肩にかけ替えるようにしましょう。
片手に荷物を下げている時も同じく、できれば絶えず左右で持ち替えてください。
背骨を左右に湾曲させないためには、両方の肩にかけるリュックがおすすめです。