中心位について
2022年02月24日
当院は治療を行うにあたり、精密検査時に中心位採得を行います。
中心位とは歯の位置とは関係ない、顎関節の位置になります。歯の位置と顎関節の回転軸に大きなズレがあると顎関節や歯、筋肉に大きな応力がかかり、顎関節や歯、筋肉を破壊する原因となります。
そのため、中心位を取ることにより、現在、顎の関節と歯の関係がどうなっているのか、治療中や治療後起こりうるリスク、今後の歯の喪失の予防の方法などをある程度術前に把握することが可能になります。
フェイスボートランスファーを行い
リーフゲージ、ドーソン法、ディプログラマーのいづれか又は併用による採得を行います。
その後、咬合器に付着し検査を行います。
特に虫歯治療などで、歯の形を変えるにあたり、一番必要な検査になりますが、予防的な意味合いが大きく、手間(模型製作、咬合器装着、フェイスボウ、中心位採得、診断など、全て行うと数時間かかります)やコスト(石膏、チェアタイム、印象材)の関係により保険診療ではまず行えない検査になります。
アメリカでは特に補綴医の中ではルーテーインで行われる検査ですが、日本ではおそらく、このような事を一度もやらずに、知らずに歯科医師人生を終わる先生が大半です。
ですので、これだけWebに情報が溢れている世の中でも殆どの患者さんに永遠に入ってこない情報になります。おそらく保険制度がこのまま維持される限り今後もそうでしょう。僅かな歯科医師が行い、ほんの僅かな患者さんが恩恵を受けるものになります。
しかし、歯に対する健康意識が高まり、歯の残存量が多くなり、また、平均寿命が長くなり、生体においてとても流動的な顎関節の変化に対応し長い期間、歯の観察と対応を行う必要が出てきた現代において咬合診査は、ますます必要な検査項目の一つになりうると考えられます。
咬合器は歯科用マイクロスコープより遥か昔からあるにも関わらず、半調節性咬合器が置いてありルーティーンで使われている歯科医院は,顕微鏡を置いて使っている歯医医院より少ないかもしれません。
特に咬合病や顎関節症などの噛み合わせ治療を行う場合には中心位を基準とします。
顎関節症状のある方は顎関節自体が何かしらの傷害を受けてますので、あくまでも仮の中心位となります。
そこから、スプリント治療を行い治療用の中心位を決めていきます。その後、顎関節症状の治りを待ち治療計画を再度練ります。このままスプリント等で症状を緩和し続けるのか、症状が緩和した位置に歯の並びや形態を変えるのか、現状の歯質の残りや予算、治療に対するコストとベネフィットの釣り合い、お気持ち等をカウンセリングし治療法を決定します。
before
after
治療後はメンテナンス時の観察と調整により口腔内の長期安定を目指します。
電話でのご予約は 03-6659-2934
菊川駅前歯科 Kobayashi dental office
東京都墨田区菊川2-6-14 1F
顎関節に関連する疾患に対し、スタビライゼーションスプリントによる治療アプローチ
2020年01月4日
顎関節症用に保険の柔らかい樹脂製のマウスピースを使用していたそうですが、全く改善が見られずお困りでした。
基本的に保険のマウスピースは噛み合わせの検査を行い、上下の模型を咬合器に付着し製作されませんので、噛み合わせを考慮されず、歯をただ柔らかいビニールかプラスチックで覆ってるだけで特に学術的な根拠も理論も何も無いものになります。しかし、プラシーボ効果で数パーセントの方には効くとも言われています。
顎関節症状の原因は欠損の長期放置、不安定な歯並び、不適切な修復物、外的要因等にて発症します。
まず、咬合違和感や顎関節症に対して行うことは原因の特定と顎の位置の評価が必要になります。
そのために、フェイスボートランスフアー、チェックバイト、ディプログラマーによる中心位採得を行い、安定した顎の位置を記録し、咬合器上にて治療顎位を評価します(咬合診断)
その他、筋触診、レントゲン、CT、歯周検査、唾液検査等の60〜90分の検査を2回にわたって行い、どんな治療が必要で、どこまで治療の介入を行うかを決定します。お口全体の修復歯の程度であったり、治療期間、個人のう蝕、歯周病リスク、審美的要求、予算であったりと様々な項目を検討します。
歯の修復物や、歯並びを修正しない治療をご希望されましたので、スタビライゼーション型スプリントによる治療を選択しました。スタビライゼーション型スプリントは歯の切削を行わずにできるため、可逆性があり、一番侵襲の無い治療法になります。
スタビライゼイション型スプリントは上下の歯の歯の接触の問題をマウスピースにて修正し、顎関節を安定させることにより、症状改善を行います。筋肉や顎関節の異常が原因と考えられる場合の鑑別診断としての使用可能です。
筋肉や顎関節が原因である場合はまた、別のアプローチが必要となります。
また、歯並び等にて自分自身の噛み合わせの力にてを破壊している傾向の患者さんの歯の維持のために使用する事も可能です。
リスク 論文上ではスタビライゼイション型スプリントは症状改善に約60%〜90%有効とされています。全ての顎関節症状、咬合違和感の改善を保証する訳ではありません。咬合状態によっては適応外症例になります。
治療費
咬合診断(口腔精密検査) ¥50,000
スタビライゼーションスプリント ¥70,000 (別途 消費税、再診料、咬合調整料)
各種治療費はこちらから
電話でのご予約は 03-6659-2934
菊川駅前歯科 Kobayashi dental office
東京都墨田区菊川2-6-14 1F
噛み合わせの違和感を診断 咬合治療 Case1|東京/墨田区/江東区
2018年01月2日
他院にて被せ物、インプラント、矯正などを行なってから「噛み合わせが変な感じがする」「担当の先生に言ってもそのうち慣れると言われる」「毎回どこか削られて不安」とご相談を受けることがあります。
噛み合わせ治療は方法や理論が非常に多く治療法が統一されておらず、オーバートリートメントとも思える過度な治療や、おまじないともとれる治療があるのが現状です。
菊川駅前歯科では補綴学の見地から噛み合わせ検査を行い、咬合の可視化を行い、適正な診断のもと咬合治療を行います。
視診、触診、レントゲンの他に以下の検査を行います。
①咀嚼能率検査
グミ咀嚼試験を行う事で本当に噛めているかどうかを検査します。
グルコースの入ったグミを20秒噛んでもらいます。
グルコースの溶出度を専用のセンサーにて計ります
この方の溶出度は基準値以上だったため食事をする機能は正常ということが判ります。
②咬合接触検査
軽く噛んだ場合と強く噛み締めた場合の噛み合わせの記録を取ります。
これにより噛み合わせのバランス、早期接触などの噛み合わせの異常を判断することができます。
③咬合器診査
フェイスボートランスファーを行い、顎の位置を咬合器に記録します。
お口の中を咬合器に再現することで全体のバランス、噛み合わせの治療方法、調整量、調整箇所の判断を行います。
以上の検査を行い、「歯を削る必要があるのか」「被せ物のやり変えが必要なのか」「歯の移動が必要なのか」「どこまで調整をするのか」等の治療説明をさせて頂きます。
この方の場合は咀嚼能力や歯の形は正常でしたが、矯正治療により1部噛み合わせが強く当たっているところ(早期接触点)があったため専用の装置を製作し噛み合わせの調整を行います。
この症例の治療内容 咬合診査 咬合調整
この症例の治療費 ¥3万
電話でのご予約は 03-6659-2934
Webでのご予約は 24時間ウェブ予約受付中
定休日 水曜 (学会出席等で変更になる場合がございます。)
平日 9時〜19時まで
土曜日 9時〜18時まで
日曜 9時〜14時まで
〒130-0024 東京都墨田区菊川2-6-14 マーベラス菊川1F
都営新宿線 菊川駅 A1出口すぐ
治療は院長の小林弘明が全て行います。