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【症例紹介】右上の前歯を精密根管治療とジルコニアクラウンで美しく再生

〜見た目の美しさと再発防止を両立する前歯治療〜


はじめに:前歯の治療で大切なのは「見た目」と「再発防止」

前歯の治療というと、どうしても「見た目」に目が行きがちです。
しかし、前歯は単に“白くて綺麗”であれば良いわけではありません。
内部に感染が残っていれば再び腫れや痛みが出ることもあり、
また、適合の悪い被せ物は歯ぐきの黒ずみや変色、虫歯の再発を引き起こします。

今回ご紹介するのは、右上の前歯(中切歯・側切歯)に精密根管治療ジルコニアクラウン修復を行い、
機能・審美の両立を実現した症例です。


■ 初診時の状態:古い被せ物の中で感染が進行していた

患者様は40代女性。
「以前治療した前歯の色が気になる」
「歯ぐきが腫れることがある」
とのことで来院されました。

見た目上は大きな問題はないように見えましたが、詳しく診査を行うと問題が隠れていました。

  • 古いセラミッククラウンの境目に微細な段差
  • 歯ぐきのわずかな腫れと出血
  • レントゲンで根の先に黒い影(透過像)

これらは根の中に細菌感染が残っているサインです。
見た目を綺麗にするだけでは、再び腫れや痛みを繰り返す可能性がありました。

そのため、まずは精密根管治療によって感染源を完全に除去する方針としました。


■ 精密根管治療とは:マイクロスコープで行う“見える治療”

従来の根管治療は、肉眼や拡大鏡で手探りのように行うことが多く、
細い根管の中を完全に清掃・消毒することは難しいのが現実でした。

当院ではすべての根管治療をマイクロスコープ(歯科用顕微鏡)下で行っています。
マイクロスコープを使用することで、
肉眼では見えない根管内の亀裂や分岐
残った感染物質まで確認できます。

さらに、ラバーダム防湿を徹底し、唾液中の細菌が侵入しないように治療環境を完全に管理します。

このように行う精密根管治療は、
「再発を防ぐための唯一の根本治療」と言えます。


■ 治療ステップ①:感染源を徹底除去

右上1番・2番ともに、古い根充材を取り除き、
マイクロスコープ下で根管内を慎重に拡大・清掃しました。

感染した象牙質や残留物を超音波器具とEDTA溶液・次亜塩素酸ナトリウムで徹底的に洗浄。
その後、根尖部(歯の先端)まで緊密に封鎖しました。

この封鎖には、気密性の高いバイオセラミック系シーラーを使用。
再感染を防ぎ、長期的に安定する状態を目指しました。


■ 治療ステップ②:ファイバーコアで歯を補強

根管治療を終えた歯は、内部の構造が弱くなっているため、
適切な支台(コア)で補強する必要があります。

当院ではファイバーコアを採用しています。
金属コアと違い、しなやかで歯根への応力を分散できるため、
歯根破折のリスクが大幅に減少します。

また、光を透過するため、後に装着するジルコニアクラウンとの色調調和にも優れています。


■ 治療ステップ③:ジルコニアクラウンによる審美修復

精密根管治療を終えた後、上部の補綴(被せ物)にはフルジルコニアクラウンを選択しました。

ジルコニアは非常に高い強度を持ちながら、最新の審美用タイプでは自然な透明感とグラデーションが再現可能です。
特に前歯部では、光の透過と表面の質感が重要。
当院では、ジルコニアに陶材を部分的に築盛するハイブリッドデザインで、自然な輝きを再現しました。

色合わせの際は、周囲の歯の明るさや質感を細かく観察し、
1本ずつの色味を個別に調整。
「どれが人工の歯かわからない」と感じていただける仕上がりを目指しています。


■ 治療後の経過:見た目も健康も取り戻した前歯

治療完了から数ヶ月後の再診時、
患者様からは「腫れや痛みがなくなった」「歯の色がとても自然」との声をいただきました。

レントゲンでも根尖の透過像は明らかに縮小し、炎症の再発は見られません。
歯ぐきとの境目も自然で、金属による黒ずみもありません。

このように、精密根管治療+ジルコニア修復は、
単に見た目を整えるだけでなく、再発を防ぎながら歯を長く守る治療です。


■ 精密根管治療とジルコニア修復の相性の良さ

実は、精密根管治療とジルコニア修復は非常に相性の良い組み合わせです。

● 精密根管治療の目的

→ 細菌感染を完全に除去し、再発を防ぐ。

● ジルコニア修復の目的

→ 精密な適合と審美性を両立し、再感染を防ぐ。

どちらも「密閉性」と「精度」が鍵となる治療であり、
根本の考え方が共通しています。

特にジルコニアは、セメント層の溶解や経年劣化が少ないため、
長期的に高い密閉性を維持できる材料です。


■ よくある質問(Q&A)

Q1. 前歯の根管治療は痛いですか?
A. ラバーダムとマイクロスコープを用いて慎重に行うため、痛みは最小限です。感染が深い場合でも麻酔がしっかり効くように調整します。

Q2. ジルコニアとセラミックはどう違うのですか?
A. ジルコニアは「人工ダイヤ」と呼ばれるほど強度が高く、長期間の安定性に優れています。セラミックはより透明感に優れますが、割れやすい欠点があります。前歯部では**審美用ジルコニア(ジルコニアセラミック)**が最もバランスが取れています。

Q3. どれくらい持ちますか?
A. 適切な管理をすれば10年以上安定して使えます。精密根管治療を行うことで、歯の寿命そのものも延ばすことができます。

Q4. 保険治療との違いは?
A. 保険治療では時間・材料・工程に制限があり、感染除去の精度や審美性に限界があります。自由診療ではマイクロスコープを使い、精密な型取りと適合の高い修復が可能です。

Q5. 歯ぐきが下がったら黒く見えますか?
A. ジルコニアは金属を使用しないため、歯ぐきが下がっても黒く見えることはありません。


■ 治療費と期間の目安

  • 治療期間:約2〜3ヶ月(根管治療+仮歯期間+最終修復)
  • 費用の目安:精密根管治療 10〜15万円/1歯、ジルコニアクラウン 13〜18万円/1歯(税別)
    ※症例や歯の状態により異なります。

■ 治療後のメインテナンス

治療後は、3〜6ヶ月ごとの定期検診をおすすめしています。
マイクロスコープでの経過観察を行い、
歯ぐきの健康や咬み合わせをチェックします。

正しいブラッシングとメインテナンスを継続することで、
治療した歯を10年、20年と長持ちさせることが可能です。


■ まとめ:見た目だけでなく「内部から治す」ことが本当の審美治療

今回の右上前歯の症例では、
外側の美しさだけでなく、歯の内部の健康まで徹底的に治療しました。

精密根管治療によって感染源を取り除き、
ジルコニアクラウンで強く美しく修復する。

この二段構えの治療こそ、再発しない真の審美歯科です。

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