【精密根管治療で上顎洞の不調まで改善】
「歯の影」と「鼻のつまり」が治った?驚きの治療結果とは

■ なんだか、歯の奥と鼻の奥がずっと重い…
「虫歯はないのに、なんとなく奥歯がズーンとする」
「鼻の奥が詰まったような違和感がずっと続く」
「レントゲンで“根っこの先に影がありますね”と言われたけど、痛くないから放置していた」
そんな経験、ありませんか?
実はこのような症状――歯と鼻(上顎洞)が深く関係している場合があります。
歯の根の先の炎症が、すぐ上にある“上顎洞”に影響して、鼻の不調や頭の重だるさまで引き起こすことがあるのです。
■ 原因は「根尖の炎症」と「上顎洞粘膜の腫れ」
上の奥歯(特に6番・7番)は、根の先端が上顎洞という空洞に非常に近い位置にあります。
そのため、根の中が細菌感染を起こすと、炎症が骨を越えて上顎洞に波及してしまうことがあります。
レントゲンやCTではこんな所見が見られます👇
- 根の先に黒い影(=根尖性歯周炎)
- 上顎洞の底の粘膜が厚く写る(=上顎洞粘膜肥厚)
この2つが同時に起こると、
「鼻づまり」「頭の重さ」「奥歯の違和感」など、歯科とも耳鼻科とも言いにくい不快な症状につながることがあります。
■ 精密根管治療で根本から改善
従来の根管治療では、「痛みを取る」「感染を減らす」といった目的で行われますが、
近年はマイクロスコープを使った精密根管治療で、より確実に細菌を除去し、炎症の再発を防ぐことができるようになっています。
🔹 精密根管治療の特徴
- マイクロスコープで内部を拡大しながら治療
→ 肉眼では見えない細い管や分岐までしっかり確認 - CT診断で“上顎洞との距離”を把握
→ 炎症がどこまで広がっているか正確に分析 - 無菌的処置で再感染を防ぐ
→ ラバーダム防湿・高濃度洗浄剤などを使用 - 緻密な根管充填で完全密封
→ 細菌の再侵入を防ぎ、長期的な安定を確保
こうした工程を経ることで、根尖部の透過像(影)が消失し、上顎洞粘膜の肥厚が改善することが多く報告されています。
最新の研究でも「根管治療後に上顎洞粘膜の厚みが減少した」という結果が出ています。
■ 実際にこんな変化がありました
ある患者さまは、数年前から「右上の奥歯が重い」「鼻の奥が詰まる感じが取れない」とお悩みでした。
歯科のCTを撮影すると、
- 根尖に黒い影
- 上顎洞底の粘膜が分厚く写っている
という状態でした。
精密根管治療を実施した結果――
約6か月後の再撮影で、
- 根尖の影はほぼ消失
- 上顎洞の粘膜も元の薄い状態に戻り
- 鼻の詰まりや鈍痛も消失
「歯の治療で鼻まで楽になるなんて思いませんでした!」
と喜ばれたのが印象的でした。
■ 放置してはいけない「根尖の影」
「痛くないから大丈夫」と思って放っておくと、
- 炎症が広がり上顎洞炎(歯性上顎洞炎)に進行
- 根の周りの骨がどんどん吸収される
- 将来的に抜歯が必要になる
というリスクがあります。
逆に、早めに精密根管治療を受けることで歯を残し、鼻の健康まで守れることが分かっています。
■ 治療後の変化は画像で確認できます
治療の前後でレントゲンやCTを比較すると、
・根尖部の黒い影が小さくなる
・上顎洞粘膜が薄く戻る
といった変化がはっきり確認できます。
見た目でも実感できる「ビフォー・アフター」があると、患者さんにとっても安心です。
歯科医師と一緒に画像を見ながら経過を共有することで、治療の意味や効果がしっかり理解できます。
■ よくある質問
Q. 精密根管治療は痛いですか?
A. 麻酔をしっかり効かせて行います。従来の治療よりも痛みや不快感が少ないケースが多いです。
Q. 費用は保険がききますか?
A. マイクロスコープやCTを使った精密治療は自費診療になる場合がありますが、再発を防ぎ、歯を長く残すことを考えると長期的には経済的です。
Q. 上顎洞炎も歯科で治るの?
A. 原因が「歯からの炎症(歯性上顎洞炎)」であれば、根管治療で自然に改善することがあります。必要に応じて耳鼻科とも連携します。
■ まとめ:歯を治すことで鼻も健康に
- 上顎の奥歯の根尖炎は、上顎洞にまで影響することがある
- 精密根管治療を行うと、歯の影(透過像)と粘膜の腫れが同時に改善するケースが多い
- 症状が軽くても、CTで早期発見・早期治療が大切
- 痛みや違和感、鼻の重さがある方は一度歯科で相談を
歯は、身体の一部。
そして「歯と鼻」は想像以上につながっています。
「なんとなく重い」「片側だけ鼻が詰まる」「奥歯の違和感が取れない」
そんな小さなサインを放置せず、専門的な検査・治療を受けることで、あなたの歯も体も軽くなるかもしれません。



