MTAセメントを用いた根管充填
2023年09月7日
感染除去等によって、ある程度、根の中が大きくなってしまったケースにはMTAセメントによる封鎖が有効です。保険の根の処置のように大きくなってしまった根の中にゴムを詰めると結果、歯の強度が担保されないため早期に割れるリスクや、再感染のリスクが高くなります。
もちろん、隔壁の設置、ラバーダム防湿、顕微鏡の使用、レザー等を使用し、精密に根管治療がなされた前提でのMTAセメントの使用によります。
MTA(Mineral Trioxide Aggregate)セメントは、歯科医学において根管治療に広く使用される特殊なセメントです。以下に、MTAセメントを使用する際の主要なメリットを長文で説明します。
- バイオコンパチビリティと生体適合性: MTAセメントは非常に高いバイオコンパチビリティを持っており、生体組織との相互作用が非常に良好です。これは、歯の根管内での使用において特に重要です。MTAセメントは周囲の組織に対する刺激が少なく、炎症反応を引き起こすリスクが低いため、患者の快適さと治療の成功率を向上させます。
- 密閉性と漏れの防止: MTAセメントは、歯の根管内に充填される際に優れた密閉性を提供します。この性質は、細菌や微生物の浸透を防ぎ、感染の拡大を防ぐのに役立ちます。漏れの防止は、根管治療の長期的な成功に不可欠です。
- 薬理学的な特性: MTAセメントは酸性に対して安定しており、歯内の酸性環境に耐性を持っています。また、抗菌性があり、感染の制御に寄与します。さらに、MTAセメントは骨細胞に対して増殖を刺激することが報告されており、治療後の歯根周囲組織の修復を助けます。
- 優れた物理的特性: MTAセメントは高い圧縮強度を持ち、歯の根管内での負荷に耐えることができます。また、硬組織との接着性も高いため、セメントが歯根内でしっかりと保持され、長期的な安定性を提供します。
- 応用の多様性: MTAセメントは根管治療に限らず、歯の尖端周辺での外科的な処置や歯の補綴治療にも使用されます。その多様性は、さまざまな歯科状況での利用を可能にし、幅広い患者に対応できることを示しています。
総括すると、MTAセメントは根管治療において多くのメリットを提供し、その優れた生体適合性、密閉性、薬理学的特性、物理的特性、応用の多様性などは、患者の快適さと治療の成功を確保する上で非常に重要です。歯科医師がMTAセメントを適切に使用することで、長期的な歯の健康を維持し、歯を失うリスクを減少させることができます。
歯は加齢と共に失う組織ではありません。適切な治療と予防管理を継続すれば生涯、歯を失うことはありません。義歯やブリッジ、インプラントの材料や技術がどんなに発達しようとも、まだまだ天然歯に勝るものはありません。
最適な予防処置、歯の延命のために、ラバーダム、顕微鏡等を使用し適正な時間を確保された治療、口腔の機能回復、審美性の改善を行う治療は自由診療となります。
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