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2026.05.07

「レントゲンを撮ったのに見逃される」──なぜ奥歯は“4方向”で診断する必要があるのか?

「パノラマレントゲンでは問題ないと言われたのに痛みが続く」
「虫歯はないと言われたのに、後で神経の治療になった」

実は歯科では、このようなことは少なくありません。
特に奥歯は、非常に複雑な構造をしているため、“1枚の大きな写真だけ”では見えない問題が多く存在します。

当院では、奥歯の診断において、必要に応じてデンタルレントゲンを4方向から撮影し、立体的に診査・診断を行っています。

これは単なる「丁寧さ」ではありません。
歯を残せるかどうかを左右する、極めて重要な工程です。


パノラマレントゲンは「全体を見る検査」

一般的な歯科医院で最初に撮影されるのが「パノラマレントゲン」です。

これは口全体を一枚で確認できる便利な検査ですが、実際には、

  • 解像度が低い
  • 奥歯が重なって写る
  • 小さな虫歯が見えない
  • ヒビ(クラック)が分からない
  • 根の細かな炎症が分からない
  • 骨の厚みや方向が分からない

という大きな弱点があります。

つまり、パノラマは“全体の地図”を見る検査であり、精密診断には向いていません。

保険診療中心の流れ作業型の診療では、このパノラマだけで「大丈夫ですね」と判断されてしまうこともあります。

しかし、本当に大切なのはそこから先です。


奥歯は「1方向」では診断できない

奥歯は、

  • 歯の根が複数ある
  • 神経の形が複雑
  • 骨の厚みが部位によって違う
  • 隣の歯と接触している
  • 噛む力が非常に強い

という特徴があります。

つまり、真正面から一枚撮っただけでは、情報が足りません。

たとえば、

  • 虫歯が歯と歯の間に隠れている
  • 根の先の炎症が別の根に隠れている
  • ヒビが角度によって見えたり見えなかったりする
  • 被せ物の下で虫歯が進行している

というケースは非常に多くあります。

だからこそ当院では、必要に応じて角度を変えながら4方向から撮影し、情報を集めます。


なぜ4方向撮影が重要なのか?

レントゲンは「二次元」です。

つまり、本来立体である歯を平面で見ています。

1方向だけでは、構造が重なり、本当に見たい部分が隠れてしまいます。

しかし角度を変えて複数枚撮影すると、

  • 隠れていた虫歯
  • 根の破折
  • 歯周病による骨吸収
  • 根管治療の失敗
  • 不適合な被せ物
  • 噛み合わせによるダメージ

などが見えてきます。

これは医科で言えば、CTを一方向だけで判断しないのと同じです。

本当に歯を残したいなら、“見えるまで調べる”ことが必要なのです。


「痛くない=問題ない」ではありません

奥歯は、症状が出た時には既に深刻化していることが多いです。

特に、

  • 神経が死にかけている歯
  • ヒビが入った歯
  • 慢性的な感染
  • 噛み合わせによる破壊

は、初期にはほとんど症状がありません。

しかし、簡易的な診査だけで見逃されると、

  • 突然激痛になる
  • 神経を取る
  • 歯が割れる
  • 抜歯になる

という流れに進みます。

実際、「もっと早く分かっていれば残せた」という歯は数え切れません。


精密診断には「時間」と「技術」が必要

精密な診断は、単にレントゲンを撮れば良いわけではありません。

  • どの角度で撮るか
  • 何を疑って撮るか
  • 咬合と関連づけて見るか
  • 症状と一致しているか
  • 過去の治療と比較するか

など、多くの知識と経験が必要です。

そのため、短時間で大量に患者さんを診るスタイルでは、どうしても限界があります。

当院では、“治療を始める前の診断”こそ最も重要だと考えています。

なぜなら、診断を間違えれば、その後の治療すべてが間違った方向へ進むからです。


「とりあえず削る」の前に、本当に原因を見つける

歯科治療で最も避けるべきなのは、

「原因が分からないまま削ること」

です。

本当に悪いのは虫歯なのか。
ヒビなのか。
噛み合わせなのか。
根の感染なのか。
歯周病なのか。

これを見極めるために、精密なデンタル撮影は欠かせません。


奥歯の違和感を放置しないでください

  • しみる
  • 噛むと違和感がある
  • なんとなく疲れる
  • 治療したのに治らない
  • 何度も同じ歯が悪くなる

こうした症状の裏に、見逃された問題が隠れていることがあります。

パノラマだけでは分からないことは、実際に非常に多いです。

当院では、必要に応じて多方向からのデンタル撮影・咬合診査・拡大視野による確認を行い、「なぜ悪くなったのか」まで分析した上で治療計画を立案しています。

その場しのぎではなく、歯を長期的に残したい方は、一度ご相談ください。

2026.05.07

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