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2025.10.09

自由診療における「見えない時間の価値」

―診療時間外に積み重ねる努力が生み出す本当の治療品質―

歯科医院で治療を受けるとき、多くの方は「治療にかかる時間=診療台に座っている時間」だと考えられています。
しかし、実際には“診療時間外”にこそ、自由診療の真の価値が隠れています。
患者さんの目に見えないところで、私たちは多くの時間を使い、資料を整理し、レントゲンや写真、模型を分析し、一人ひとりの患者さんに最適な治療を導くための準備をしています。

その積み重ねこそが、自由診療の「精度」と「安心」を支える基盤なのです。


① 保険診療の仕組みと限界 ―「その場での対応」が中心

日本の保険制度は、すべての人が一定の費用で最低限の医療を受けられるように設計されています。
とても優れた制度ですが、その反面、歯科医療の現場では「限られた報酬の中で効率的に治療を行うこと」が求められます。

保険診療は、国が細かく定めた「保険点数」に基づき治療費が決定します。
つまり、どんなに丁寧な診断や長時間の準備を行っても、その分の報酬は得られない仕組みです。
そのため、保険診療ではどうしても「その場の症状を改善するための処置」が中心となり、短時間で多くの患者さんを診るスタイルが主流になります。

もちろん、保険診療でも誠実に治療を行う先生方は多くいらっしゃいます。
しかし、制度の制約上、時間をかけた診断や検討を十分に行うことは難しく、「今痛みを取る」「穴を埋める」「被せる」といった“対症療法的”な側面が強くなってしまうのが現状です。


② 自由診療の本質 ―「時間と労力を惜しまない診断」

一方で、自由診療は国の定めたルールに縛られず、
「本当に患者さんにとって最善の結果を出すための医療」を提供できる仕組みです。

私たちは診療時間外にも多くの時間をかけて、患者さん一人ひとりの治療計画を練り上げています。
たとえば、

  • 撮影したレントゲンやCT画像を再度見直し、細部まで病変を確認する
  • 口腔内写真を拡大して、歯肉や歯質の状態、ブラッシングの癖を分析する
  • 診断用模型を製作し、咬合(噛み合わせ)のバランスを立体的に検討する
  • これらを総合して、最適な治療手順や材料を選定する

といった工程を、一つのケースごとに丁寧に行います。

これらはすべて診療時間外の作業であり、患者さんが帰られた後、夜遅くまで続くことも珍しくありません。
しかし、こうした準備があるからこそ、治療の精度が高まり、再治療のリスクを最小限に抑えることができるのです。


③ 模型を「観察する」意味 ―目では見えない問題を立体的に把握する

自由診療では、診断用模型(スタディモデル)を製作することが多くあります。
これは単なる型取りの記録ではなく、治療計画の基盤となる「立体的な診断資料」です。

実際に手に取って観察することで、口腔内を上から見下ろすように全体像を捉えられます。
歯の傾き、歯列の歪み、噛み合わせのズレ、咬合面の磨耗など――写真やレントゲンだけでは気づけない情報が模型には詰まっています。

模型を前にしながら「どの歯が本当に問題の起点になっているのか」「どこを調整すれば全体のバランスが整うのか」を分析する作業は、まさに歯科医師の“思考の時間”です。
ここで導き出される診断こそが、長期的に歯を守る治療の成否を分けるのです。


④ 自由診療の費用に含まれる「見えない時間」

患者さんから見れば、自由診療の費用は高く感じられることがあるかもしれません。
しかしその費用には、単に高品質な材料や最新の設備だけでなく、「診療時間外に費やされる膨大な準備の時間」が含まれています。

自由診療では、一人の患者さんに対して数時間、場合によっては十数時間の分析・準備を行います。
模型の観察、資料の整理、治療シミュレーション、技工士とのディスカッション――。
こうした“診療外の努力”が、治療の完成度と予後の安定を決定づけるのです。

つまり、自由診療の本当の価値は「手技」だけでなく、「時間」と「思考」にあります。
それは、一本の歯を無駄にしないために、そして将来にわたって健康な口腔を維持するための“投資”です。


⑤ 菊川駅前歯科が大切にしていること ―「診療時間外の努力は患者さんへの誠意」

菊川駅前歯科では、自由診療の最大の目的を「長期的な口腔の健康維持」と考えています。
そのため、診療時間中の処置だけでなく、診療時間外にどれだけ真摯に準備を行うかを大切にしています。

患者さん一人ひとりに向き合い、治療方針を決める前に

  • どんな生活習慣が原因となっているのか
  • 将来どのようなリスクが考えられるのか
  • 今どの部分に介入すれば歯を守れるのか

を徹底的に分析します。

それをもとに、マイクロスコープによる精密診断や、必要に応じた咬合調整、根管内観察などを計画します。
こうした工程のすべてに、診療外の“準備の時間”が関わっています。

私たちはその時間を「見えないコスト」ではなく、「患者さんの未来への責任」として考えています。


⑥ 「早く終わる治療」より「正確に終わる治療」を

保険診療では、短時間で効率的に治療を行うことが求められるため、どうしても「早さ」が重視されます。
しかし、自由診療では「正確さ」と「再現性」が最優先です。

たとえば根管治療であれば、マイクロスコープを使い、複雑な根管を一本ずつ確認しながら感染源を徹底的に除去します。
そのために必要なレントゲン分析や治療シミュレーションは、診療室の外で入念に行われます。

たとえ時間がかかっても、結果的に「再治療のない、長く持つ歯」を実現することが、患者さんにとっての最大の利益になるのです。
自由診療は、その“時間をかける覚悟”が治療の質を決める医療だといえます。


⑦ 「資料を整える」ということは、「患者さんを知る」ということ

自由診療では、治療前に集めた資料を徹底的に整理・分析します。
これは単なる記録ではなく、「患者さんを深く理解するための作業」です。

レントゲン画像を何度も見返し、過去の治療歴や骨の変化を読み取る。
口腔内写真を拡大し、歯肉の炎症や歯質の乾燥度合い、清掃状態を確認する。
噛み合わせの状態を模型上で再現し、顎の動きや歯列の癖を考慮して治療方針を立てる。

このプロセスを丁寧に行うことで、
「なぜこの症状が起きたのか」
「どうすれば再発を防げるのか」
を根本から理解できるようになります。

単に“治す”のではなく、“原因を取り除き、再発を防ぐ”――それが自由診療の考え方です。


⑧ 治療の成功は、診療時間外に決まる

治療というのは、実は診療台の上だけで完結するものではありません。
診療室の外でどれだけ準備と検討がなされたかによって、結果の精度が大きく変わります。

自由診療では、治療が始まる前の段階で8割が決まるとも言われます。
どんな計画を立てるか、どんな順序で治療を進めるか、どのようなリスクを想定するか――。
その判断力と分析力が、最終的な結果を左右します。

菊川駅前歯科では、その「診療外の時間」を最も大切にしています。
それは、私たちが提供するのが「技術」だけでなく、「考え抜かれた医療」だからです。


⑨ 自由診療を選ぶという選択 ―「自分の健康に時間をかける」こと

自由診療は、確かに費用が高く感じられるかもしれません。
しかし、それは「あなたの健康に本気で向き合う時間」が含まれているからです。

時間をかけて診断し、計画を立て、技術を尽くす。
その一つひとつが、歯を長く守るための積み重ねです。

そしてそれは、将来の自分への最大の“贈り物”になります。
自由診療とは、歯を削るための治療ではなく、
「歯を守り、人生の質を高めるための医療」なのです。


⑩ 最後に ―見えない時間が、あなたの未来を支える

私たち菊川駅前歯科が自由診療にこだわる理由は、
「本当に良い治療は、見えない時間にこそ存在する」と信じているからです。

診療時間外に費やされる無数の準備、検討、資料作成。
それらはすべて、患者さん一人ひとりの笑顔と安心のために行われています。

あなたの歯を守るために、私たちは診療時間の外でも手を止めません。
その見えない努力が、確かな結果を生み出すと信じているからです。

2025.10.09

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